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事業所のリスク管理

 放課後等デイサービスを利用する『行動障がいが激しい子ども』の受け入れ(退所)について考えたことの覚書です。
 先日、お付き合いのある事業所さんから相談を受け、弁護士の先生にお会いしてきました。
 
【主訴】
 
 行動障がいの激しい中学生への対応について、事業所ではほぼマンツーマン対応であり、このままだと運営の大きな負担となっている。利用児童の退所について、契約書の解釈等を含め、どのような方法が考えられるか検討してほしい。
 
【弁護士さんに助言いただきたいと思ったこと】
  • 対応の難しい児童を退所させることができる契約書の在り方について
  • 契約書ではなく、「事業所内規」として退所勧告などの措置をとることができるかどうか?
  • 退所をめぐって訴訟等になった事例にどのようなものがあるか?
 
【弁護士さんの助言】
  • 訴訟事例として表ざたにならないことが大半。
  • どうしても退所を勧告しなければならない場合、施設の明確な方針を定め、適切な猶予期間を与えた上で粛々と対処の対応を進めていくことが必要。
  • 契約書の文言は、(行政が示した書式であろうとの推測のもとに)行政にとって都合の良い書きぶりになっている。つまり、契約解除が簡単にできにくいかきぶりになっている。また、放課後等デイサービスの契約書の場合、契約者が『保護者』であることから、子どもの問題行動がどうであるかで契約解除を迫ることができる文面にはなっていない。
  • 事業所は、リスクを甘く見ている。一旦引き受けると責任が発生し、他児童や職員をけがさせるなどの悲しい現実が起こってしまった場合、会社の責任はまぬかれない。従業員を守る発想も必要。


【考えを整理したこと】
 
 弁護士さんとのお話は、障がい児者の相談を主な業務としている私にとって、ある意味衝撃的であり、心苦しいものでした。それは、行動問題の激しい、重度の発達障がい児などを排除する考え方が基本となるからです。
 しかし、一方では、自傷や他傷の危険性が極めて高い障がい児者をどの施設でも『分け隔てなく受け入れしなければならない』とする考え方は、かえって当時者をよい方向に導くことができない可能性を高めてしまうとも考えます。つまり、刺激が多すぎる空間や集団で生活するがゆえに、常に不安定状態を示し、成長や安定を促すどころか、かえって状態を悪化させてしまわないか?というリスクです。
 このように考えると、最初から当事者をよりよい方向へ導くことに大きな困難性が想定される場合は、事業所として受け入れをするべきでないと考えるに至りました。

 受け入れすることを決断するに至った場合でも、「どのような場合に退所を宣告せざるを得ない状況となるのか?」について、利用契約時に、『覚書』としてしっかり家族や当事者本人とインフォームドコンセントを交わしておくことが必要だと思います。
 ただし、この考え方は、強度行動障がい児者に関わるすべての事業所が、事業所として設置すべき適切な施設環境や職員の資質を備えていることを前提にした考え方なんです。必要最小限の施設環境も用意せず、職員の処遇技術もぼろぼろの施設が、「うちではお受けできません」というのは、論外なのです!
 このようなことが起こらない福祉の業界にしたいという思いが、起業した私の出発点でもあります。究極の理想としては、強度行動障がい児者が、どこに相談しても、「精いっぱい支援します!」と胸を張って言える事業所でいっぱいになることです。そのために、私が、サンクスシェアがやれることを今後も日々続けていきたいと思っています。
 では、まだまだそうなっていない現実を考えたとき、どうすればいいのか?
 その一つの選択肢として、強度行動障がい児者が利用する受け皿として、福岡市のモデル事業である「か~む」(強度行動障がい勉強会第15回報告)のような仕組みがやはり必要だと思います。

 ずっと利用をし続けるということではなく、ある一定期間限定で、将来的な通常の福祉サービス提供事業所での生活ができるようになることを想定して、支援をする施設が必要でしょう。
 この仕組みを民間が提供することは、おそらく困難であることを考えると、行政が中心となって、各地域に必要最小限の受け皿を整備してほしいと希望します。

 そして、一方では同時に、通常の福祉サービス事業所の受け入れ資質が高まり、やがて、いずれかの将来、二次障がいと言われる強度行動障がい児者がなくなっていく社会ができるといいなあと理想を思い浮かべます(^^)
 
福岡市東区で障がい福祉サービスに携わる人を育てる会社
 合同会社サンクスシェア 2016年4月4日 創立

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