R8.9.24
報告です。かなり濃いです!
サンクスシェア以外からも5名の方が参加くださいました!
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所属した組織「すばる園」は、もともと知的障害・自閉症など発達障害系の方の民間療育機関として出発し、レスパイト(一時預かり)から成り行きでグループホーム的な取り組みへと発展した。取り組みの開始は約35年前(1990年以前)で、すばる園自体は2004年に解散した。
当時は公的支援が皆無で、先例は長崎の「那須賀園」(近藤源氏先生)程度しかなく、当初は自立度の高い軽度者を想定していたが、すばる園は「行動障害の受け入れ」を実証し、日本における行動障害者の居住支援の先駆けとなったという自負がある。中心人物の野口先生は、親と同じ土俵に立つ信念のもと1995年に法人建物3階を開放して宿泊生活支援を開始したが、職員や他の親御さんの協力体制があって初めて実現できた。
措置時代の補助金は1ホーム年間190万円のみでパート賃金並みの乏しい予算だったが、昼夜通しの5泊6日支援を年間200万円で運営し、平成12年(2000年)から国の制度を取り入れた。
利用者一人ひとりに個室が用意され、入浴や食事の時間を本人が決める選択式スケジュールとし、指示ではなく選択肢からの自己決定方式を採用して生活の乱れを防いでいる。
約束を守れるとトークン(応用行動分析)が溜まり好きな洗剤などを買える「トークンエコノミー」を導入し、潔癖な利用者には物の並べ方など本人のこだわりを尊重、汁物の加熱やトースト焼き・布巾洗いなど危険や過剰行動は支援者が先回りして受け取り逸脱を防いでいる。
写真カードやめくり式スケジュール、パズルなど視覚的支援ツールを活用し、てんかんや音過敏のある利用者には静かな環境を整え、洗濯やトイレ掃除・備品管理などを役割(仕事)として提供。愛情たっぷりに関わることで利用者が甘えん坊になり、やり取り自体を楽しむようになった。
個別事例として、Mさん(不眠・徘徊・大声、後に母の死去後施設へ移り不安定化)、Kさん(潔癖・こだわりへのパズル方式)、Hさん(極端な偏食、飲み物から胃を膨らませ肉と芋から食事を広げ安定)、Tさん(聴覚過敏で建物構造まで工夫)、Yさん(担任の結婚で不安定化)などへ丁寧な支援を行った。
さらにIさん(母親の額に噛みつき大怪我、即日受け入れ数年間完全個室見守り、訓練で職員が意図的にターゲットとなり、後に熊本の施設が引き取り親元へ)、Yさん(便秘やうんちの罪悪感が八つ当たりの引き金と判明)、Hさん(洗剤へのこだわりから不法侵入をスモールステップの取引で改善)、Aさん(起床時に自立課題を用意しオン・オフ切り替え)、もう一人のHさん(最重度知的障害・睡眠時無呼吸症・てんかん徘徊発作、常に一緒に起き危険を先回り)など多様な事例を紹介。
激しい行動時は無理に制止せず支援者が安全圏に退避し、落ち着いたタイミングで寄り添い好印象を育てる「印象操作」的関わりと、行動を整理し継続的に見る「構造分析」を有効な支援の中心に据えている。「本人の主張に負けてはいけない」と力で抑え込んだ結果、強行突破スキルが磨かれ手がつけられなくなった反省も示された。
手厚い支援は初期に人手・費用がかかるが、支援によって最終的に支援を要さない状態へ近づけられトータルでは税金の節約につながり、支援者は「いかに不要になるか」を意識すべきで映像(DVD映像の紹介あり)の姿はゴールでなく通過点だと強調。全利用者の行動障害評定が支援開始時から平成14年3月(2002年3月)頃にかけて劇的に低下し、「一輪挿し事件」を機に冊子「コスモホームの援助」を作成、日本社会福祉学会では①支援者の常識・価値観の転換、②長所を生かし生活全体の質を高める、③危機的状況でのタイムリーな受け入れ、④人生の伴走者としての途切れない支援、の4点を結論として提示した。
元グループホーム勤務の参加者から、新任職員が利用者の輪に加わろうとした「一輪刺し事件」に近い体験が語られ、怒りの感じ方や構造分析の有効性について本講話との共通点が話題提供された。あわせて、支援体制や職員異動によって方針が変わり薬を使わずに対応できていた利用者が服薬に至った事例が紹介され、引き継ぎの難しさが問われた。また、食事・水分摂取が困難な利用者について、学生アルバイトの助言でまず飲み物から胃を膨らませ、理論的には誤りだったが結果的に水分摂取で状態が改善し食事も広がった経緯が共有された。
相談支援に携わる参加者から、母親が急に入院・別離となりパニックで夜間眠れなくなった男性利用者について、慣れないホームでは理解が及ばず精神科受診も検討されたが、T学園が本人をよく知る立場から引き取り、環境調整によって安定した暮らしを実現できたという実例が共有され、本人を理解する支援者の存在の心強さが語られた。
参加者から「全部を直す必要はなく、支援が少なくなった状態でよいのか」という確認がなされ、知っている支援者が手をかけ続ける状態はリスクがあるため採算ベースに乗せ支援が不要になっていくことを心がけているとの回答があり、「いかに不要になるか」という視点の重要性が改めて確認された。
次回は、2か月先の第4金曜日、11月27日(金)17時からです(^^)