KYOUKOUU(強度行動障がい勉強会)第43回は、中村 佳奈さん(社会福祉法人あきの会理事長)をお迎えしました。
1 タイトル 強度行動障がいとわたし(「強度行動障がいとわたし」シリーズ7回目)
2 日時 R8.6.27 13時00分~15時00分(その後講師と情報交換)
3 場所 CO-WORKING SALON 四季のいろ(博多区千代)
4 お話 中村 佳奈さん(社会福祉法人あきの会理事長)
5 参加 会場参加 16 名 Zoom参加 11 名 (情報交換会 13 名)
6 内容
脳科学と現場をつなぐ:強度行動障がい支援の新たな視点
社会福祉法人あきの会の中村佳奈さん(作業療法士・社会福祉士)をお招きし、「強度行動障がい支援の紹介:脳科学と支援の架け橋」と題した講演会を開催しました。
講演では、支援が困難とされる「強度行動障がい」に対し、最新の脳科学の知見と、あきの会での豊富な実践事例を交えた、具体的かつ希望に満ちた支援のあり方をお話しいただきました。当日ご参加いただけなかった皆様にも、そのエッセンスをお届けします。
1. 講師紹介:リハビリテーションと福祉のプロフェッショナル
講師の中村さんは、作業療法士として長年リハビリテーションの現場に携わり、その後、心理学の修士課程を経て、現在は社会福祉法人あきの会にて強度行動障がいの支援に尽力されています。 「患者さんのために制度は後からついてくる」という信念のもと、高齢者福祉から障害福祉まで幅広く、常に現場第一の支援を展開されてきました。
2. なぜ「パニック」や「こだわり」が起きるのか?:脳科学からの視点
講演の大きな特徴は、自閉スペクトラム症(ASD)などの特性を脳科学的なメカニズムから解説された点でした。
3. 「あきの会」が大切にしている支援の考え方
脳の仕組みを理解した上で、中村さんは「強度行動障がい」を以下のように捉えていっらしゃるようです。
4. 実践事例:特性に合わせた環境設定と医療連携
講演では、福岡・北九州・武雄の各事業所での劇的な改善事例が紹介されました。
強度行動障がい支援において大切なのは、行動を制限することではなく、「個々の障害特性を深く理解し、本人が安心して過ごせる環境を整えること」だとお話されました。
「強度行動障がい=怖い、難しい」という先入観を捨て、適切な支援を行うことで、彼らは地域の中で豊かな生活を送ることができるようになります。今回の講演は、支援者やご家族にとって、明日からの関わり方を変える大きな一歩となりました。
勉強会事務局より: 今後も当ホームページでは、支援に役立つ情報や研修の報告を発信していきます。皆様と共に、誰もが安心して暮らせる社会を目指していければ幸いです。
お話の詳しい内容は、どうぞ動画全編をご覧ください。
(動画ハイライト編)
※ 会員以外の方で、全編視聴を希望される方は、どうぞご一報ください。お問い合わせ(動画視聴希望と入力ください)
【ご参加いただいた方の感想】
・とても勉強になりました。改めて理事長の凄さを実感致しました。本当に尊敬しております。今後の支援に結び付けていけるように頑張ります。ありがとうございました。
・今日は、貴重なお話をお伺いすることができたいへん勉強になる時間となりました。脳の構造についてや近年の研究データのお話、実例ケースのお話もお伺いすることができ学ぶことができました。交流会の場では、他職種のかたと意見交換をさせていただき今後の仕事へ活かしていきたいと思いました。本日は貴重なお時間を作っていただきありがとうございました。
・面白かったです、応用行動分析を使える支援者が増えて欲しいです!
・強行の方を受け入れた時の不安は大きかったと思いますが、「上がしっかりしていれば、スタッフは頑張ってくれる」という話が心に残りました。誤学習してしまった行動を修正する過程は大変かと思いますが職員がチームで取り組むことが大切だと思います。
・息子のためにあきの会の存在や活動を知ることが出来て良かったです。脳の仕組みは初めて知りましたが、生まれてくるまでにお腹の中でなぜこんな脳になったのか・・・と複雑な心境で聞いていました。知識はあった方が行動に対して冷静に受け止められるのでとても勉強になりました。ありがとうございました!
・強度行動障がいへのアプローチとして、医療ケアが必要な障がい児者の支援を含め医療機関(病院)を併設している法人の理事長のお話は、また、新たな視点への気づきをいただいと思う。特に、脳のつくり、はたらき、現象と自閉症(強度行動障がい)との関係性を正しく把握してサポートしていく必要性を強く感じた。本人の生きづらさ、家族の疲弊、支援者の苦悩について、これまで知っているアプローチ(ABA中心)をもってしてもなお対応困難な場合は、単に医療に(Dr.に)服薬をお任せするしかすべがないと思っていたが、もっと脳のメカニズムを正しく知っていれば、効果があるサポートと効果がないサポートの見極めがつき、もっと現場でやれること、現場支援者に情報提供ができるかもしれないと思った。中村理事長は、このエビデンスを持っているからこそ、どんな質問が投げかけられても、即座に、そして納得いく回答をなさるのだと納得した。
・中村先生の実践事例と脳の障害についての話を聞かせていただき、改めて対処法のような支援だけではなく、脳の特性に基づいた支援や環境設定等の工夫を行う重要性を考えることができました。強度行動障害の方の支援を考えるときにどうしても問題行動をどのように少なくするのか、対処するのかに視点がいきやすいように感じます。しかし、目の前で起きている行動が脳の特性+理解されない環境+感覚過敏+きついこと等を伝えられない+失敗体験の積み重ねであると捉えると支援者としてのかかわり方や支援の内容、方法がかわるように考えました。もう一度先生の話を聞かせていただく機会があれば、脳の障害を根拠により具体的な療育活動の方法等を教えていただきたいと思います。貴重なお話を聞かせていただき、私自身の考えが大きく変わりました。本当にありがとうございました。
・脳の器質的な問題という強度行動障がいに対するリハビリ医療の視点からの見立てについて理解が深まりました。行動改善に向けたアプローチの仕方について、福祉現場で主軸となりつつある応用行動分析との親和性がとても高いとの認識を持ち、医療と福祉のそれぞれの専門職同士でのコミュニケーションによって共通の視点でのやりとりが十分に可能であると感じました。よって、双方向の接点をもっと増やし情報共有を密にして双方で理解を深めていくことが医療と福祉の連携を深化させ、強度行動障がいの人たちの地域移行や予防等についても一緒に協働していくことができると感じました。そのためには、医療とのコミュニケーションの機会を意図的に増やすことから取り組んでいきたいと思います。
・強度行動障害のある方への支援について、脳機能や発達の視点を関連付けながら説明されており、大変興味深く学ぶことができました。問題行動だけに着目するのではなく、その背景にある特性や情報処理の仕組みを理解したうえで支援を組み立てることの重要性を改めて認識しました。また、望ましい行動を強化し、問題行動には過度に反応しないという基本的な支援姿勢は、日頃の相談支援や関係機関との連携においても意識すべき視点であると感じています。さらに、医療・福祉・教育が早期から連携し、本人の特性を共通理解したうえで一貫した支援を継続することの大切さも印象に残りました。今回の講義を通して、利用者一人ひとりの行動の背景を多角的に捉え、根拠に基づいた支援を実践できるよう、今後も知識を深めていきたいと感じました。
・このたびは貴重なご講話をしていただき、誠にありがとうございました。脳の仕組みから自閉スペクトラム症の特性について分かりやすくご説明いただき、これまで以上に特性への理解を深めることができました。特性の背景を理解することで、一人ひとりに合わせた支援の方法やアプローチの仕方、相手との関わり方について改めて考える良い機会となりました。今回学んだ内容を今後の支援に活かし、ご本人が安心して過ごせる環境づくりや、より適切な関わりができるよう努めてまいります。改めまして、このような貴重な学びの機会をいただき、心より感謝申し上げます。ありがとうございました。