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KYOUKOU(強度行動障がい勉強会)第10回報告

事例検討を行った第10回の報告です。新郷 拓也さんに作成いただきました。
 

KYOUKOU 10回 報告文

報告者:新郷 拓也

1 日時 428日 19時~2030

2 場所 あいあいセンター 7階 小研修室

3 参加人数 18

4 テーマ

 事例検討Ⅲ:A氏の食事場面についての支援を考える。

 A氏:強度行動障がい者が利用する「か~む」入居者(18歳女性)

  KYOUKOU第8回 事例検討Ⅰ:資料による本人理解

  KYOUKOU第9回 事例検討Ⅱ:「か~む」現地見学会

  KYOUKOU10回 事例検討Ⅲ:支援の立案(今回)

5  内容

① A氏の初日の食事場面のVTR視聴

② ①を通して、気づいたことの全体共有

③ 3グループに分かれての、A氏の食事場面での支援方法の検討

④ 各グループの報告

⑤ まとめ か~むでの食事場面の支援の実際紹介(これまでの支援経過)

⑥ 森口所長によるスーパーバイズ
 


 10回報告文のキーワード

 応用行動分析 行動の4つの機能 コミュニケーションの機能 機能分析を通して、何を見るのか?

 

応用行動分析 とは?


 今回より、行動分析学の視点からみるとより理解が進むかなと思い、先に行動分析学とは何だ?という方に簡単な解説を入れてみようと思います。

 行動分析学は、心の働きを「個人の中」に求めるのではなく「個人と環境の相互作用」の在り方と考え、一つの機能として分析する。(スキナー)

 

 人の行動は、その人個人の特性(短気・我慢できない)によるのではなく、その人のもつ特性と周りの環境(人・活動内容等)がお互いに影響し合うことで、行動は生起する。その行動を通して、その人が何を伝えようとしているのか(機能)を学ぶ学問であるとされている。

 この機能には4つの意味があり、今回は、それに関する内容が多く出てきました。


 

① A氏の初日の食事場面の視聴

 A氏の初日のか~むでの食事場面の様子を観察しました。

その際に、2つの視点を意識して観察することが事前に示されました。

 Ⅰ 本人の様子について気が付いたこと(本人自身の理解)

 Ⅱ 支援員の様子について気が付いたこと(周囲環境の影響)

 私の感想ではありますが、A氏の初日の食事の様子では、

 A氏の頻回する他害行為と支援員に対するマッサージや手をもむように要求する行動(本人の行動)

 それに振り回される支援員達の動きがあり(本人の行動から生じる環境の動き)

 とてもうまくいっているとは言えない映像でした。
 


 

② ①を通して、気づいたことの全体共有

 ①を通して、各人が気づいたことを全体の場で発表していきました。

 

それぞれの発表を通して、A氏の食事場面には、

A氏自身の食事を食べたいという意思があるかわからない。

A氏自身が食べる意欲がないのではないかと思わせるくらいに、姿勢が崩れてしまっている。

A氏は、A氏の周りにいる支援員を全て巻き込み、振り回そうとしている。

 総合して、

    ➡    A氏は食事に集中することができていないのではないか?

ということが、大きな課題として見えてきました。
 


 

③ 3グループに分かれての、A氏の食事場面での支援方法の検討

 A氏の課題をとらえたうえで、どうすればA氏が食事に集中できるのか、という支援を3グループに分かれて検討を行いました。

 その際は、次の3つの点についての検討を行いました。

 

 ア 環境設定

 イ 食べさせ方

 ウ 不適切な行動への対応
 


 

④ 不ループワークで話し合った内容についての各グループの発表

 各グループで話し合った内容について、全体で発表を行いました。

 どのグループにも共通していたこととして

 1 【物理的な環境の調整】

座位の保持(ソファ→座椅子)を行い、本人の姿勢崩れによる、食事への集中が途切れるのを防ぐ。

 2 【支援者の位置取り】

本人の他害行動の届かない位置から介助を行い、他害行動を防ぐ。

 3 【支援の一本化したルール作り】

本人からの要求には、あらかじめ対応を決めておく(無視、活動への促し等) 等が挙げられていました。

 

 グループによっては、実際の食事場面をシュミレーションし、動きを実演で示してくれたグループもありました。ここまで、具体的であるならば、明日からの支援に即反映できますね。

その際、森口所長からもコメントを頂きつつ、より細やかな支援方法の検討を自然に行っていきました。
 



 まとめ か~むでの食事場面の支援の実践報告

 実際にか~むでの支援の実際について紹介が行われました。

VTRを見つつ、A氏や支援員の動き、環境設定の様子について、かーむ主任支援員の春田さんから解説を受け、実際にどのようにA氏が食事に集中できるようになっていたかの経過について、支援のポイントとA氏の行動変容も含めて確認することができました。

 

 まず初めにA氏の行動の様子を観察。その後、「なぜその行動を起こすのか?」という視点を持ったうえで、記録を整理、そこからA氏は行動問題を起こすことで何を伝えたいのかを分析していきました。

また、それまでのA氏の生育史(人生)を細かく見ていくことで

A氏には食事を、自立して食べていた時期がある。

ことも、見えてきました。

また、これまでの生育史の中で、A氏自身が本来なら支援を受けずともできる場所を、受けて来たために、他者への依存度がかなり強いこと

も見えてきました。

その上で、下記の支援方針をか~むでは立て、実行されました。

  • A氏自身の活動の選択を大事にする。(本人が「食べる」というまでは、食事は出さない) →A氏自身の選択で、自身で決める、という自信をつける。他者依存からの脱却。
  • 注意喚起行動(支援員への話しかけ・頬たたき)に対しては、ルール(食事時間の話以外はしない・5回以上叩いたら、食事を下げる)を決めておく。

 

という(大きくまとめると)2つの支援員の対応の統一と、それぞれの場面での、最低限の安全面の確保のための環境設定が行われていました。

 

 ア A氏のこれまで奪われてきた能力に着目し、そこをできるように、支援を行う。

  行動問題に対しては、不必要な注意喚起行動に対しては、その行動を起こしてもA氏には、デメリットしか生じない

という、A氏自身の個別的な理解と、行動分析を通しての機能を把握し、それに対する対策がか~むの支援組み立ての大きな基盤になっているなと、私は感じました。
 


 

⑥ 森口所長によるスーパーバイズ

 森口所長からのスーパーバイズでは

Ⅰ なぜその行動を起こすのか? ~行動の4つの機能~

Ⅱ 記録の重要性とチームプレイについて 

を中心に話して頂きました。

 

Ⅰ なぜその行動を起こすのか? ~行動の4つの機能~

強度行動障がいのある方への支援を行う中では、時に行動問題に対して戸惑いを感じることが多くあります。支援員からすれば、ケガのリスクもある、「困った人」というイメージを抱きやすい状態です。

しかし、強度行動障がいのある方の行動問題には、裏にコミュニケーションとしてのメッセージが隠されていることが多くあります。彼らは、その障がい特性とこれまで歩んできた環境と合わさって、彼ら独特の表現方法(行動問題)に頼らざるを得ない状況にいます。そういった、視点で見れば、彼らは実は「困っている人」だということが見えてきます。

  ここでようやく、初めから触れていた行動の4つの機能の分析が入ってきます。

 応用行動分析学では、行動には4つの機能があるとしています。彼らは、それぞれの表現方法をもって、4つの機能を人に伝えようとしています。

 一 要求(ほしいものを手に入れる 「ジュースを下さい」) 

 二 拒否(Noという意思表示 「いやだ」「あっちに行け」 )

 三 注意獲得(自分に人の視線を集める 「こっちを向いて」 )

 四 感覚強化(その行動自体が、本人にとっての心地よい刺激となっている)

   何もすることがないから、頭を叩いて痛刺激を得る。

 

Aの場合は、本人自身の特性(分離不安)とそれまでの周囲環境の関わりが行動問題に大きく関わっているようでした。

 支援員達の注目がない → 自傷・他害行為を起こす → 支援員の注目がある。(注意獲得)

 という風に、A氏の行動問題の意味が見えてきました。

 (もちろん実際は、こんなシンプルなものだけではないこともご理解下さい。)

 意味を見いだせれば、そこからどのようにすれば、A氏が行動問題を起こさずに生活を過ごすことができるのか、という支援のプランが生まれてきます。

行動の機能を見る視点を入れることで、彼らの声なき声、に気付ける。彼らが何を伝えたいのかを、冷静な頭で見ることができる。彼らの困り感に支援ができる、そう繋がっていきます。

 

の記録の重要性とチームプレイについては、前回のかーむ見学時で取り扱っていましたので、第9回の勉強会報告を参照ください。
 



※ 番外 コミュニケーションを機能で見る

行動には、4つの機能があり、それを分析することで、相手が本当は何を伝えたいのかがわかることを、少しでも伝わっていればと思います。

 これを、私たちの過ごす日常生活で、活用することができないか? 

私なりに、考えて、こういうアイデアがあるのではないかと思ったので、こちらに書いてみようと思います。

コミュニケーションには、行動の4つの機能から更に増えて7つの機能があるとされています。

① 要求

何がほしい、という要求・何がしたい、という許可

② 注意喚起

大声を挙げたりして、自分に興味・関心を集める

③ 拒否

相手に嫌や不快感・不安を伝える

④ 説明

自分自身や相手のこと等に関して、特徴を指摘する。

⑤ 情報提供

自分が知っていることを、相手に伝える

⑥ 情報請求

自分が知らないことを、相手から聞き出す

⑦ その感情表現や共感

気分がよい・悪い 日常的なあいさつ

 

この7つの機能で見る視点があると……

 

ア 相手の言いたいことを落ち着いて観察できるようになる。

イ ①から自分の感情のコントロールにも役立つ。

ウ 相手の求めている答えを出しやすくなる。

 

という、メリットがあるのではないでしょうか?

例えば…

 

 あなたが、クレームを受けたとします。

そんな時、相手の言葉をよく聞くことで、相手の求める言葉を引き出すことができると思います。

 Ⅰ こんな不良品をよくも売れるな! → 要求

平身低頭。相手は謝罪を求めています。ここは、誠心誠意謝罪を致しましょう。

 Ⅱ 買ったのに、全く使えないじゃないか、どうすればいいんだ!→ 情報請求

 相手のプライドを逆なでしないように、落ち着いて、相手のわかる言葉で具体的に解決に向けて必要な情報を伝えましょう。

 

 といった、具合に、分析ができると思っています。「この人は何を伝えたいのかな?」と思ったときに、一つの見る視点として役立てていただけたら幸いです。

 


次回 

 ① 日時 531() 19時~2030(+食事会を予定)

 ② 場所 福岡市立心身障がい福祉センター

 ③ 内容

  座学 「強度行動障害の意味を考える」 スピーカー 森口哲也(か~む所長)

 

強度行動障がい者には、社会的に不適切な行動がたくさんあります。そのため、家族や支援者としては、不適切な行動をなくしたり修正したりするために常にさまざまな働きかけをします。しかし、彼らが示す行動には、それぞれに必ず彼らなりの理屈に見合った『行動の意味』があるのです。これを抜きにしては、彼らの適切な支援はあり得ません。
 満を持して登場いただく森口さんからは、参加者のグループワークも織り交ぜながら、「行動分析」の考え方や手法を解説していただき、『行動の意味』の探り方やその後の支援の在り方のヒントを提供していただきます(^^)/ (11回案内文より抜擢)

 

今回の報告分の中でも、多く出ましたが、改めて「行動の機能」について、かーむ所長の森口さんから講義をして頂けるとのこと、とても楽しみです。今回報告文の中には、内容を絞るために掛けなかった行動の「強化・弱化の原則」等も出てくるのではないかと思います。また、学びをみなさんに伝えることができるよう、たっぷり学びたいと思います!!

 

感想 第十回に参加して

 今回は、この報告文の作成まで含めて、色々考えることの多い勉強会になりました。自分だけが、知っていることを、他の人に伝えるにはどうすればよいのか、支援のことに関していえば、職人的な人間を作るのではなく、チームで支援できる土台を作る。人間関係って、難しいですよね。笑

「こういったはずなのに」とか「なんでこうしてくれないんだ」と思うことも多くあるはずなんですが、そこを踏みとどまって、相手が何の情報を必要としているか、や相手にはどういう言い方(実演等も含む)が、必要なのか、愚痴る前に考えたほうが、建設的なんでしょうね。

とはいえ、まだまだそんな冷静な人間には慣れていないのですが、そんな風にチームが動きやすい人間目指して、精進精進です!!

ここまで、読んでくださり、ありがとうございました!!

 

 
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 合同会社サンクスシェア 2016年4月4日 創立